今日はいつか書こうと思っていたんですが どう伝えれば良いかず~っと考えていた僕等の仕事についてのクレームって言う部分を少し掘り下げて見ようと思います。
あらかじめ断っておきますが本分については あくまで僕の思いであり他所の美容室の事については責任を負いかねますので宜しくお願いします。
みなさんも多少ご経験があろうかと思いますが美容室に行って髪をデザインして貰ったのに思ったデザインにならなかったり美容室で出来上がった時は満足したのに帰ってご自分でお手入れしたら思うようにならなかった、って経験あるんじゃないでしょうか?
まず最初に思うのは僕の仕事は あくまで出来上がった物を売るのではなくその場で作り上げる、所謂、現場合わせ、ハンドメイドで作るオートクチュールの様な物です。
最終的な出来上がりからすると まずカウンセリングが最も重要になります。
カウンセリングでお客様と 作らせて頂く僕が最終的なデザインのイメージを共有できてないと作業に掛かる事が出来ません。
人間はそれぞれイメージする物が違います、例えば今の季節で言っても「涼しげに見える」「軽やかなデザイン」って言われても人それぞれイメージする者が違いますよね。
お客様にデザインのオーダーを聞くと往々にして「抽象的な言葉」で表現される場合が多い物です。
そのお客さまが「涼しげに、、、」とか「軽い、、」って事にどう言うイメージを持っているか分かりませんし、軽いって定義も それぞれだと思う訳です。
例えばご飯を食べに行って同じ物を食べても辛いって思う人もいれば辛くないって思う人もいる訳です。
僕がイメージする「軽い」とお客様がイメージする「軽い」は決して同じ物とは限らない訳です。
一事が万事そう言う事が言える訳で特に初めて施術させて頂くお客様は僕の方に何のデータもないのでイメージの共有が難しいんです。
その部分の結論からしては「写真からイメージする」って事が一番ベターな方法です。
写真を見れば双方が同じ物を見るのだから多くのイメージを共有する事が出来る訳です。
でもホントはそれとて完全ではないんです、お客様が写真を見る時 髪型は勿論ですがモデルさんの雰囲気、顔立ち等も視野に入れてイメージされるからです。
僕が良く例える話に昔ワンレングスのボブが流行った頃「浅野温子」みたいにして下さいって言うのが多かったんですよ。
ハッキリ言ってワンレンのボブなんてカットの基本でそんなに難しい技術が要求される訳ではないんです。
しかも当時は今では当たり前の「毛量調節」や「質感調整」「骨格補正」なんてのは無かった時代です。
切りっぱなしな訳です。
でも皆さん思い出して下さい、当時浅野温子と五輪真弓は同じ髪型だった訳です、もっと言えば武田鉄矢もワンレンだったんです(笑)
浅野温子は多かったけど五輪真弓や金八先生のようにってオーダーはありませんでした。
ここまで言うと身も蓋も無く、大変失礼な表現になりますが 大事なのはその髪型が似合う似合わないって事よりそのヘアスタイルを気に入るか気に入らないかって事になるんです。
以上の事は極端な例かも知れませんが お客様と僕が そう言う部分まで考慮に入れてイメージ出来るかが大事な事なんです。
中にはこう言う方もいらっしゃいます。
写真を見て「この雰囲気で もう少し後ろの長さを残してサイドは短めで前髪をパッツンにして下さい」
おいおい全然違うよ~(笑)
ヘアスタイルにはバランスがあるんです。
バランスを取るには長さや重さ、質感等がとっても大事なんです。
お客様が言われた事が全てバランスが悪いって事ではありませんが、明らかに写真のスタイルの雰囲気ではなくなる訳です。
深く考えると とっても難しいですね(汗)
こう言う方もいらっしゃいます。
施術させて頂いて ある程度お客様と僕とのイメージが共有でき 喜んで帰って頂いたと思っていたのにに帰って友達や家族に否定的な事を言われ「こんなになるはずじゃなかった、、、こんなにされてしまった、、、」
僕も一生懸命にさせて頂き お帰りの際にあんなに喜んでいらしたのに、、、悲しくなります。
こういうケース結論から言うと「好み」の問題になる訳です。
ある程度の基本的な似合わせってものがあっても 似合う=気に入る じゃないんです。
特に日本人の傾向として 人の意見、人からの評価が凄く気になるって所があるんです。
そうなると責任転換になる訳です。
前にも何度か書きましたが基本的に「似合う」って言うのは その人のトータルを含めたバランスが取れているって事だと思う訳です。
でももっと大事なのは その方が「気に入る」って事なんです、少々バランスが悪かっても気に入って頂ければ成功になるし 僕や美容師から見てバランス悪くないって思っても その方が気に入られなかったらクレームになる訳です。
勿論以上の事を踏まえてプロとしての意見、アドバイスをさせて頂くのは僕には当たり前の仕事です。
でも僕のマスターベーションでは勿論駄目な訳で お金を頂くお客様のご要望が最優先されるべき物なのです。
僕の仕事は僕が作るって事ですが僕の観念は
「お客様と一緒に作る事」って思っています。
その為にはお客様のご協力がとっても大事になる訳です。
何の仕事でもそうでしょうが、出来上がった物を売る仕事と違って僕等の仕事は お客様との信頼関係で成り立っています、勿論その為には最大限の努力はします、でもホントの信頼関係を築くのは時間がかかるんです、
何回もさせて頂いて初めて分かりあえる物がある事も事実です。
反面どうしても感性が合わないお客様がいらっしゃる事も事実です、僕としては最大限の努力をさせて頂くのは当然ですが「嫌い」って言われればどうしょうも無い訳です(笑)
もっと色んなケースやカットやパーマ、カラー等の事も掘り下げて書こうと思って書き始めましたが さわりのカウンセリングだけでもこれだけの誌面を使ってしましました(汗)
カウンセリングだけでも全て伝えられたかどうか分かりません、パッと思い浮かぶんですがキーボード打っている間に忘れるんです(笑)
到底これだけでは全てを伝えられてないので これからゆっくり色んな部分を掘り下げてアップして行きますので宜しくお願いします。
今日のまとめです、あくまで僕との相談で決める事ではあるんですが、お客様の希望をなるべく明確に伝えて頂くと言う事、その為にはご来店の際写真や切り抜きなどをご持参いただければイメージの誤差が少なくなると言う事、そうすることがクレームを減らす事になるのは間違いありません。
僕は僕の意見をプロとしてハッキリ言わせて頂きます。
駄目な物は駄目、おかしい物はおかしい、言葉の配慮はしますが 意見を言わせて頂く事も僕の大事な使命だと心得ています。
そうして信頼関係を築き長くお付き合いをさせて頂く事が僕の理想であるのです!